指ポキポキで指が太くなるは嘘?音の正体と関節へのリスクを解説

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指ポキポキで指が太くなるは嘘?音の正体と関節へのリスクを解説

暇な時やイライラした時、つい無意識に「指をポキポキ」鳴らしてしまう癖、ありませんか?

でも、ふと「これって指が太くなるって聞くけど本当かな…」と不安になること、ありますよね。

実はその「ポキッ」という音、骨がぶつかっている音ではないんです!

今回は、あの音の意外な正体や関節を鳴らし続けると本当に指が太くなってしまうのか?という都市伝説の真実をズバリ解明します。

知らずに続けていると後悔するかもしれないリスクについても、優しく楽しくお話ししますね!


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ズバリ回答!指をポキポキ鳴らすと「指が太くなる」って本当なの?

結論から言ってしまうと、この噂は「半分嘘で、半分本当」なんです。

「えっ、どっちなの!?」とモヤモヤしますよね。

正確に言うと、「骨自体が成長して太くなることはないけれど、関節周りが腫れて太く見えるようになる可能性は高い」というのが、私たち専門家の見解です。

どういうことなのか、もう少し詳しく紐解いていきましょう。

医学的には「骨は太くならない」が正解!でも油断は禁物?

まず、安心してください。

指をポキポキ鳴らしたからといって、骨が急に成長したり、骨の形がボコッと変わったりするという医学的な証拠はありません。

これには、ある有名な研究者の面白いエピソードがあります。

アメリカのドナルド・アンガー(Donald Unger)さんというお医者さんは、なんと60年間、左手の指だけを毎日ポキポキ鳴らし続け、右手は一度も鳴らさないという実験を自分の体で行いました。

その結果どうなったと思いますか?

なんと、「左右の手で、関節炎のなりやすさや骨の状態に違いはなかった」のです!

彼はこの研究で、人々を笑わせ、考えさせた研究に贈られる「イグ・ノーベル賞(医学賞)」を受賞しています。

このことからも、「鳴らす=骨や関節がおかしくなる」という単純な図式ではないことが分かりますね。

太く見えてしまうのは「炎症」や「組織の肥厚」が原因かも

「じゃあ、いくら鳴らしても大丈夫なんだ!」

…と思うのは、ちょっと待ってください!

ここからが重要なポイントです。

骨そのものは太くなりませんが、「関節を守っている周りの組織」は別です。

指の関節を無理に引っ張ったり曲げたりして鳴らす行為は、関節を包んでいる「関節包(かんせつほう)」「靭帯(じんたい)」に、瞬間的に強い負担をかけています。

これを長年繰り返すと、身体はこんな反応を起こします。

  1. 組織の修復と防御
    「ここはいつも強い力がかかるから、もっと頑丈にしなきゃ!」と体が判断します。
     
  2. 組織の肥厚(ひこう)
    ペンだこができるのと同じように、皮膚や皮下組織、靭帯が分厚く硬くなります。
     
  3. 炎症による腫れ
    微細なダメージが積み重なり、慢性的な炎症が起き、関節がボテッと腫れぼったくなります。

つまり、骨が太くなったのではなく、「皮や肉が厚くなって、節(ふし)が太く見えてしまっている」状態と言えます。

指輪が入りにくくなったり、指のシルエットがゴツゴツしたりするのは、この「組織の変化」が原因のことが多いんですよ。

あの音は何?骨じゃなくて「気泡」が弾ける音だった!

そもそも、あの「ポキッ」「パキッ」という音、どこから鳴っていると思いますか?

「骨と骨がぶつかっている音」だと思っている方が多いのですが、実は全く違います。

正体は、「気泡(泡)が弾ける音」なんです。

シャンパンと同じ?関節の中で起きているビックリな現象

少し専門的なお話になりますが、関節の中は空洞ではなく、「滑液(かつえき)」というヌルヌルした液体で満たされています。

これは潤滑油の役割をしています。

指を曲げたり引っ張ったりすると、関節の中の空間が広がり、圧力が急激に下がります。

すると、液体の中に溶けていたガス(窒素や二酸化炭素など)が、圧力の変化に耐えきれずに「泡」になります。

そして、その泡が一気に弾けて消える時に、衝撃波として発生するのがあの「ポキッ」という音なんです。

これを専門用語で「キャビテーション(空洞化現象)」と呼びます。

分かりやすく例えると、シャンパンのコルクを抜く時に似ています。

瓶の中の圧力が急に変わって「ポンッ!」といい音がしますよね。

あれと同じようなことが、あなたの指の小さな関節の中で起きているのです。

💡 薬剤師の豆知識 「一度鳴らすと、しばらく鳴らない」のはなぜ?
一度泡が弾けると、ガスが再び液体に溶け込むまでに約20分〜30分かかります。
だから、連続では鳴らないんです。
「無理やり鳴らそうとして痛めた」なんてことがないように注意してくださいね!

ただの癖だと甘く見ないで!指鳴らしに潜む3つのリスク

「音が鳴る仕組みは分かったし、骨も太くならないなら、別にいいんじゃない?」

そう思われるかもしれませんが、薬剤師としては「できればやめてほしい」のが本音です。

なぜなら、一瞬のスッキリ感と引き換えにするには、少しリスクが大きいからです。

代表的なリスクを表にまとめてみました。

リスク具体的な内容将来への影響
1. 握力の低下関節を支える靭帯が伸びたり緩んだりしてしまう。ペットボトルの蓋が開けにくい、重い物が持ちにくいなど、生活に支障が出る可能性も。
2. 関節の変形・痛み繰り返す衝撃で軟骨が傷つく。「指の節が太くなる」だけでなく、寒くなると痛む、動かしにくいといった症状に繋がることも。
3. 依存性とエスカレート鳴らさないとイライラするようになる。最初は指だけだったのが、首や腰など、より危険な部位を鳴らす癖に繋がる恐れがある。

握力が弱くなるって本当?将来起こりうるデメリット

過去に行われた研究(Castellanos J, Axelrod D. 1990)では、日常的に指を鳴らす癖がある人は、そうでない人に比べて「手の腫れ」が見られ、さらに「握力が弱くなる傾向がある」という報告がされています。

これはゴムを何度も強く引っ張ると伸びきってしまうのと同じで、関節を安定させている靭帯(じんたい)が緩んでしまうためと考えられます。

おじいちゃん、おばあちゃんになった時に、「お茶碗を持つ手が震える」「ビンの蓋が開かない」なんてことにならないよう、今のうちから関節は大切にしてあげたいですね。

ついつい鳴らしたくなる心理と、優しく止めるためのヒント

頭では「良くない」と分かっていても、ついポキポキ…。

やめられない理由は、あなたの意志が弱いからではなく、脳が「快感」を覚えているからなんです。

  • 関節のストレッチ感:一時的に可動域が広がり、スッキリする。
  • 音による刺激:小気味良い音が脳へのリラックス信号になる。

これらは一種のストレス解消行動(セルフグルーミング)とも言われています。

無理に我慢すると余計にストレスが溜まるので、「代わりの気持ちいいこと」を見つけるのが成功の秘訣です!

薬局がおすすめする「脱・ポキポキ」アクション

1.ハンドマッサージに変える
「鳴らしたい!」と思ったら、反対の手で指の腹や手のひらを優しく揉んでみてください。
血流が良くなり、ポキポキ以上のリラックス効果が得られます。

2.お気に入りのハンドクリームを塗る
良い香りのハンドクリームを塗る習慣をつけましょう。
「ベタベタするから触りたくない」という心理も働きますし、保湿ケアもできて一石二鳥です。

3.ツボを押す
親指と人差指の骨が合流する部分にある「合谷(ごうこく)」というツボは、ストレス緩和や肩こりに効果的です。
鳴らす代わりにここを「ジワーッ」と5秒押してみてください。

まとめ

いかがでしたか?

何気ない「指 ポキポキ」という癖ですが、意外と奥深い仕組みとリスクが隠れていましたね。

今回のポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 骨は太くならない:ドナルド・アンガーさんの研究で証明済み。
  • でも指は太く見えるかも:組織の炎症や肥厚で、節(ふし)がゴツゴツするリスクはある。
  • 音の正体は気泡:関節液の中のガスが弾ける「キャビテーション」の音。
  • リスクを知ろう:握力の低下や靭帯の緩みに繋がる可能性がある。

「絶対にダメ!」と神経質になりすぎる必要はありませんが、綺麗な指先と、将来の健康な関節を守るために、少しずつ回数を減らしていけるといいですね。

もし、「指の関節が痛い」「腫れが引かない」といった悩みがあれば、自己流で対処せず、整形外科を受診するか、私たち薬局の薬剤師にも気軽にご相談ください。

参照元・参考文献: